第3回目はケースの厚みとサイドの形状の検証です。

※前回までのコラムはこちらをご覧ください。

第一回 文字盤の大きさ(ベゼル幅)

第二回 文字盤のデザイン

 

 

【ケースの厚みとサイドの形状】

今まではこのように正面から見た場合のサイズ感で比較をしてきましたが、サイドの形状も時計によって実に様々です。今度は横から時計を観察してみましょう。

上の写真の時計は以下の通りです。

左 ブレモン スーパーマリーン

右 プリム  スパルタク 

ケースは基本的な3ピース構造ですと、「ベゼル・中胴・裏蓋」で構成されています。

初めにそれぞれのケースサイドの厚みが分かるようにこちらの写真をご用意しましたが、実際に装着した際には、このように真横から見ることは殆ど無く、基本的には斜め上からの角度で見ることが多いでしょう。

その際に「どのように見えるか」が今回のポイントになります。

 

BREMONT SUPERMARINE S300 WHITE  (厚さ約1.5㎜)

40㎜ SS(TRIP-TICKⓇ構造)ケース 自動巻き 30気圧防水 価格(税込み)517,000

 

ブレモンのラインナップでは珍しいNATOベルトのダイバーズウォッチです。

ブランドの特徴的なTRIP-TICKⓇ構造のケースは堅牢で厚く、実際に海で使用した場合も映える時計と言えましょう。

ラグから伸びる硬化スチール部分のラインや、DLC加工が施された黒色のリングと組み合わせによって、非常に立体感のあるデザインです。

 

 

PRIM SPARTAK (厚さ約1.3㎜)

40㎜ SSケース 自動巻き 5気圧防水 価格(税込み)347,600

 

こちらは1954年以来継承されてきたプリムのフラッグシップモデル「スパルタク」です。

3ピースのケースに見えますが、ベゼルと中胴が一体となっている2ピース構造です。

搭載する自動巻きのRef.98ムーブメントは、使い勝手や実用性を重視する為に厚みがあり、ケースサイドの写真では裏蓋の膨らみが見受けられましたが、実際に腕に乗せてみた場合は裏蓋が隠れて見ないのでスリムな印象に変わります。

 

このように「ケースの厚みを活かした立体的なデザイン」のモデルと「ケースの厚みを薄く見せるデザイン」のモデルの違いは、カタログでは中々分かりにくい部分でもありますので、是非腕に乗せて実感してみてください。

 

今回は三回にわたり腕時計のサイズ感の考察をしてまいりましたが、他にも様々な要素がございます。実際に手に取ってみて、初めて分かる特徴や発見もあるかと思いますので、少しでも時計選びの際に参考となればと思います。

 

※最後に番外編を予定しております。

 

銀座三越店 鈴木

シェルマンオフィシャルサイト

1971年にアンティークショップとして創業したシェルマンは、パテック・フィリップをはじめとしたアンティークウォッチの名品の数々や美術工芸品ともいえるアンティークジュエリーを中心に展開してまいりました。
そして現在は、大手メゾンに属さず時計づくりに励む独立時計師のユニークな作品、独自の信念やこだわりを持って製作される現行ブランドの時計、複雑機構を搭載したクォーツ式のオリジナルウォッチの開発・製作など、アンティークの枠を越え、時代や流行を越えて受け継がれる名品をコンセプトに、幅広いジャンルの作品を取り扱っています