この度、第28回三越ワールドウォッチフェアの開催に合わせて、時を超えて愛され続ける過去の名品を特別にご用意いたしました。かつて時計愛好家を魅了し、惜しまれつつも廃盤となったモデルたちが、今、再びその輝きを放ちます。それぞれの時計が持つ歴史、そして紡いできた物語に触れることができる貴重な機会です。単なる時を刻む道具としてだけでなく、その時代の息吹を宿した作品の数々。
今回は、そんな特別な作品の一部をご紹介させていただきます。
クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ 「サテライト・デュ・モンド MKⅡ」
~唯一無二の世界観をもつアストロノミカルウォッチ~
天文時計に特化したオランダのクリスティアン・ヴァン・デル・クラーウが、1996年に発表した初の腕時計「サテライト・デュ・モンド」。その源流は、1992年にバーゼルでメディユ・ドールを受賞した置時計「ペンデュル・バリアブル」にあります。この置時計は、回転する太陽と月、アストロラーベを組み合わせた画期的な天体機構で、CVDKを時計製造のエリートへと押し上げました。「サテライト・デュ・モンド」は、この置時計の独創的な世界観を腕時計に凝縮したモデルです。文字盤中央の回転ダイヤルは、太陽に対する月の位置を示し、新月、満月、半月を表現します。また、インナーリングには世界の主要24都市名が表記され、各都市の昼夜がわかるようになっています。単なる時間を知る道具ではなく、宇宙の神秘と人間の飽くなき探究心、そして時計製造の精緻な技術が融合した芸術品と言えます。
9,900,000円税込(自動巻、K18RG、ケース径39mm、3気圧防水、※認定中古:製造年2001年)
ノモス「タンジェント・ゴールド・デイト」
~ドイツ時計の機能美と洗練~
ドイツ時計製造の聖地、グラスヒュッテに本拠を構えるノモス グラスヒュッテ。その哲学である機能美を体現するモデルとして、1992年に誕生したのが「タンジェント」です。一切の無駄を排したデザインと高い視認性は、瞬時に時を読み取ることを可能にし、使う人の日常に寄り添います。特筆すべきは、18KYGケースにアプライドのバーインデックスを採用したこのモデル。上質な輝きと洗練されたデザインは、スーツスタイルを格上げする「逸品」です。心臓部には「1TSDP」と呼ばれる手巻きムーブメントを搭載。これはプゾー7001をベースとしており、現在ノモスを代表する「アルファ」ムーブメントの前世代にあたります。ノモスの歴史と進化を感じさせるタイムピースです。
1,540,000円税込(手巻、K18YG、ケース径35mm、3気圧防水、2002年発表)
ハブリング2「アーウィン・ジャパン リミテッド エディション」
~ジャンピングセコンドが織りなす精巧な時~
オーストリアの独立系時計メーカーが手掛けたこの日本限定モデルは、1秒ごとに秒針がジャンプする「ジャンピングセコンド」機構を特徴としています。秒針がミニッツマーカーに寸分違わず重なる様子は、彼らの卓越した技術力の証。針は緩やかなカーブを描き、文字盤はシェルマンがリクエストしたラッカー仕上げの美しい白。太目のローマ数字のインデックスは、クラシカルながら力強い印象が魅力です。ムーブメントは自社製A11Sを搭載。中心の歯車がジャンピングセコンドを制御する様子は圧巻で、特殊機構にもかかわらず10mmを下回る薄さを実現しています。同メーカーは「日常使いに耐える信頼性」を重視しており、視認性や腕への収まりの良さも抜群です。
990,000円税込(手巻、SS、ケース径38.5mm、5気圧防水)
クドケ「スカル・ブラック リミテッドエディション」
~レリーフ彫刻の異色作~
ドイツの独立時計師メーカー。創業者のステファン・クドケ氏は彫金師としての才能も持ち合わせています。「メメント・モリ(死を想え)」という教訓を込めた、中世ヨーロッパの死生観を象徴する思想が反映されたスカルモチーフは、スターリングシルバーにマイクロスコープを覗き込みながら彫り進められ、限られた文字盤の厚みの中で微妙な高低差をつけ、見事な陰影が表現されています。これは通常の彫刻よりもはるかに高い技術を要し、クドケ氏の卓越した技術力が際立つ逸品です。スカルの目や側頭部のひび割れといった微細な部分にはブラックロジウムメッキが施され、よりリアルな陰影と仕上がりを実現。さらに、ユニークな骨モチーフの針も、その立体感や質感に至るまで徹底的にこだわり抜かれています。
770,000円税込(自動巻、SS、ケース径38mm、5気圧防水)
年月を経ても色褪せない魅力と、職人の卓越した技術が凝縮された作品を、ぜひ会場でご自身の目でお確かめください。
【商品のお問合せ先】日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー/シェルマン TEL: 03-6225-2134
【第28回 三越ワールドウォッチフェア ~時をめぐり、想いを馳せる~】
期間: 2025年7月30日(水)~8月26日(火)
場所: 日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー、他