時計選びで重要な「サイズ感」ですが、カタログスペックで判断される方も多いと思います。
しかしながら、同サイズの時計で比較しても、実際に装着した時の印象は必ずしもイメージ通りとは限りません。
大きく影響を与えるポイントは下記の3つです。
- 文字盤の大きさ(ベゼル幅)
- 文字盤のデザイン
- ケースの厚みとサイドの形状
今回のコラムでは、この項目を3回に分けてご説明していきたいと思います。
ほぼ同じ縮尺で並べた上の写真の2つの時計ですが、それぞれの時分を読み取ってみてください。その際どちらの時計が大きく感じられるでしょうか。
実寸は以下の通りです。
(左)ノモス 「Tangente neomatik 41 Update」・・・40.5㎜
(右)モーリス・ラクロア「AIKON Automatic」・・・42㎜
右の時計のほうがスペックのケースサイズでみると大きいのですが、「ほぼ同じサイズ、もしくは左の時計のほうが大きく感じられる」ことがあると思います。
この理由は文字盤の大きさ(ベゼル幅)の違いにあります。
※ベゼル(Bezel)…「正面から見た時にガラス〔風防〕を囲うケースの縁のこと」
Nomos Tangente neomatik 41 Update
40.5mm SSケース 自動巻き 3気圧防水
こちらのノモスの時計はベゼル幅が薄く、文字盤がケースいっぱいに嵌められています。
ドイツのバウハウスのデザインに基づいた、非常に視認性に優れたデザインと言えるでしょう。
MAURICE LACROIX AIKON Automatic 42mm
42mm SSケース 自動巻き 20気圧防水
一方でモーリス・ラクロアのアイコンは、ラグジュアリースポーツの意匠に多く見られる、厚く堅牢なベゼルが採用されております。その中でもこの特徴的な6本の爪のデザインは、このモデルを象徴する他には見られないデザインです。
時計を腕に乗せたとき、普段真っ先に視線が向かう先は文字盤です。
このサイズが違うだけで、その時計の大きさの印象も変わるのは面白いですね。
次回のコラムでは【文字盤のデザイン】によるサイズ感の違いをご紹介致します。
銀座三越店 鈴木