HABRING²
Felix Japan Limited
ランゲ&ゾーネとIWCで技術顧問を務めた独立時計師リチャード・ハブリングは、パートナーのマリア・クリスティナと2人で、2004年に<ハブリング2>を故郷であるオーストリアで起ち上げました。ご紹介する時計は、彼らの初の自社ムーブメントCal.A11を搭載したフェリックスのシェルマンによる別注モデルです。今回はそのデザインのルーツをご案内します。
通常モデル(左)と日本特別限定モデル(右)との違いは文字盤にあります。同じムーブメントを搭載しており、スモールセコンドの位置に変わりはありません。日本限定モデルはスモールセコンドが9時位置にあることを活かしたデザインとなっており、スモールセコンドと対称の3時位置にブランド名とモデル名が配置されている部分が特徴です。このデザインは1930年代頃に作られた腕時計を参考にしており、アンティークを取り扱うシェルマンと、リチャード・ハブリングのアイデアから生まれました。
9時位置にスモールセコンドがある理由としては、自社ムーブメントCal.A11を開発するにあたり、9時位置にスモールセコンドを有するクロノグラフムーブメントETA7750の基本構造を参考にしていいます。もともとリチャード・ハブリングはIWCに所属していた時代から、ETA7750をベースにムーブメントの開発を行っており、彼らの初期の作品も同じムーブメントをカスタムして制作していました。その性質はCal.A11にも反映されているものの、現在はETAからの部品を一切調達せずに、歯車と脱進機以外は自社開発のものを使用しています。
日本限定モデルは針の形状も異なっています。時分針は根元部分から徐々に広がりを持たせ、先端を鋭く尖らすバトン針を採用、さらに分針は先端を手作業で文字盤側に曲げるといったクラシックな仕様にすることで、文字盤の雰囲気とマッチさせています。これに合わせて秒針のデザインも通常モデルと変えているところに強いこだわりを感じます。
<ハブリング2>の代表作フェリックスの中でも、シェルマンとリチャードのコラボレーションから生まれた特別な1本、ぜひ店頭でご覧ください。在庫は1点限りとなりますので、ご興味を持たれた方は、お早めにお問い合わせを頂ければ幸いです。
HABRING²
Felix Japan Limited
手巻き(Cal.A11)、パワーリザーブ:約48時間
SS、ケース径:38.5mm、防水性:3気圧
価格:825,000円(税込)※2022年7月現在
銀座三越店 小林