HABRING²
Chrono ZM 36mm
独立時計師リチャード・ハブリング氏が、妻マリアと共に同ブランドをオーストリアに設立したのは2004年のこと。彼らの作り上げる時計は、シンプルなデザインの外装に、他ブランドとは一線を画す特殊機構が搭載されており、機械式ならではの“メカニズム”を愉しむことができるのを特徴としています。GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)では部門賞を4度も獲得し、世界的に高い評価を集めていますが、今回はそんな<ハブリング2>ならではの、こだわりの詰まったクロノグラフをご紹介致します。
一見するとシンプルなスモールセコンドの時計に見えます。しかしここに冒頭でご説明した<ハブリング2>の特徴が凝縮されています。
まず、シルバー色の文字盤は、よく見ると中心には縦ライン、バーインデックスとミニッツマーカー部分には同心円状のヘアラインが施されています。同色でありながら違った仕上げですみ分けることにより、光にかざした際の陰影で立体的に見え、非常に高級感を演出します。このような仕上げは昔の時計によく見られ、アンティークウォッチに精通したリチャード氏ならではのこだわりを感じさせる文字盤といえるでしょう。飛んで配置された12・3・6のアラビア数字のアプライドインデックスも繊細かつ丁寧に仕上げられています。
“お馴染み”の「クロノグラフ」は、積算計のインダイヤルが3つ、または2つ配置されていますが、この「クロノZM」は9時位置の秒針を司るインダイヤル1つしかありません。また、通常リューズを挟んで上下に2つ存在するプッシュボタンも、1つだけのモノプッシャースタイルで、“計器的”なデザインとなりがちなクロノグラフが、エレガントなデザインへと昇華されています。
左の画像の12時位置にご注目いただくと針が2本重なっているのが分かります。2時位置のプッシュボタンを押すと、アロー型の針の上に重なっていた針が動き出し「秒」を刻み、続いてアロー型の針が動き出し「分」を刻みます (※右の画像ご参照)。「クロノグラフ秒針」と「60分積算計針」が全てセンターの同軸上に纏め上げられているモノプッシャークロノグラフは、他のメーカーにはあまり見られないユニークな機構です。
搭載ムーブメントCal.A08M_ZMは、ベースにETA7750を使用してるものの、輪列の配置などの基本設計を参考にしているだけで、前述の機構へ改造するなど、ほとんどの部分に手が加えられています。また現行品のクロノグラフとしては、かなり小ぶりな36㎜という中々ないサイズ感で、アンティークウォッチがお好きな方にはたまらない大きさではないでしょうか。
独立時計師リチャード・ハブリング氏の拘りの詰まった希少な時計を、是非店頭にてお手に取ってご覧ください。
HABRING²
Chrono ZM 36mm
手巻き(Cal.A08M_ZM)、SS、ケース径:36㎜、防水性:3気圧防水、パワーリザーブ:約48時間
価格:803,000円(税込)
日本橋三越店 園田