KUDOKE(クドケ)
KUNSTwerk
Rekulater
ドイツの独立時計師であるステファン・クドケは自身の手掛ける時計を2つのカテゴリーに分けて時計制作を行っています。芸術作品の意味を持つKUNSTwerk(クンストヴェルケ)と手工芸の意味を持つHANDwerk(ハンドヴェルケ)になります。
今回はスケルトンのモデルを中心としたクンストヴェルケシリーズから、レクレイターをご紹介いたします。スケルトン時計の醍醐味は中の機構が見えることや本来は隠れて見ることが出来ない歯車など内部の動きが見えることにあります。クンストヴェルケシリーズではそのメカニズムの面白さと地板の裏表に満遍なく施された彫金がとても魅力的です。これは、ひとつひとつの地板を糸鋸で削り、スケルトン化して残ったフレーム部分に様々な種類の彫刻刀を用いて彫金を施すという、とても手間暇がかかったものになります。こうして出来上がる腕時計の表情はまさに芸術作品といえるのではないでしょうか。
それでは細部にわたった作りこみも併せてご案内いたします。
1つ目は香箱です。風車のようなデザインの香箱にスケルトン化しペルラージュ仕上げを施しています。この香箱のデザインも特徴の1つですが、黒を基調としたフレームとの組み合わせは別作品の「Black Beauty」にも用いられており、手彫りと伝統的な時計装飾の組合せがとても贅沢に感じます。また、パーツごとの色分けを可能としているのが、自らメッキの作業まで行うためであり、製作工程が増えることによる大変さよりも、アイディアを具現化するための手間暇を惜しまない姿勢には、氏の時計作りに対する強いこだわりを感じます。
2つ目は太めのブレゲ針に合わせたローマンインデックスとギョーシェの組合せです。6時位置に配置された時針は短く太いブレゲ針を採用しており、時刻をしっかりと持ち主に示してくれます。ローマンインデックスとギョーシェだけ見るとクラシックなテイストで懐中時計に見えてくるのは私だけでしょうか。
3つ目はこのテンワに付けられた歩度調整を行うチラネジです。歯車の動きを視覚で追うと必ず目に入ってきます。時計の心臓部持ち主をより愉しませてくれます。また、ベゼルとミニッツマーカーが施されたリングの隙間をからわずかに見える地板にも彫金仕上げが施されていますが、この辺りにも彼の時計作りへの信念を感じます。
裏面を見ると宝石のような輝きを放っていますが、地板の側面をよく見るとしっかりと面取し、糸鋸のバリ処理まで綺麗にこなしています。スケルトン時計というとインパクトがありますが、同モデルはクラシックとメカニズムの融合、そしてクドケの拘りが詰まった1本となります。
ぜひクドケの魅力を店頭でご覧ください。
KUDOKE (クドケ)
KUNSTwerk
Rekulater
手巻き、SS、ケースサイズ:42mm、防水性:3気圧防水、パワーリザーブ:42時間
価格(税込):1,320,000円
銀座三越店 上野