LANG&HEYNE
FRIEDRICH III
2001年、時計師家系の5代目マルコ・ラングと当時ランゲ&ゾーネの見習工であったミルコ・ハイネによって、ドイツ東部ドレスデンに設立されたメーカー<ラング&ハイネ>のフリードリッヒⅢをご紹介いたします。
ラング&ハイネが工房を構えるドレスデンといえば、かつてザクセン王国の都が置かれた華やかな宮廷都市であり、エルベ川沿いに並ぶ壮麗なバロック建築群に彩られた風景が印象的です。
19世紀のドレスデンの時計職人は、特別な顧客のためにオーダーメイドの作品や少量生産の作品を製作していました。ラング&ハイネはこの宮廷時計の伝統を受け継ぎ、自社で針、ケース、ムーブメントの設計から製作までを行うマニュファクチュールであり、時計職人が手作業で一つ一つのパーツを、気が遠くなるような時間をかけて製作しています。最高品質の芸術の域に達したその時計は、年間の生産数はわずか数十本程と国内でも限られた場所でしかご覧いただけません。
手作業によって仕上げられた美しい膨らみのあるローズゴールド製のカテドラル針と、銀無垢製ガルバニックブラックの文字盤に浮き立つ繊細なローマ数字のインデックスなど、全ての要素がクラシックとは如何なるものかを体現しており、格調高い雰囲気を醸し出しています。
フリードリッヒⅢはラング&ハイネのコレクションの中で、ケース径が39.2㎜と比較的に小ぶりなところが嬉しいポイントです。
スモールセコンドのサブダイアルは、同心円状の細かなアズラージュ仕上げが施され、その上を磨き抜かれた小さな秒針が輝きながら時を刻みます。その下部には「MADE IN SAXONY」の文字が、誇らしげに冠されています。
そして息をのむようなゴールドに輝く、自社ムーブメントのCal.VIをケースバックからご覧いただけます。
銀のしごき仕上げが施された、特徴的な3角形の洋銀製輪列ブリッジにより、通常であればプレートに隠れてしまうはずの輪列の動きが楽しめるというのが、このムーブメントの最大の魅力であり特徴でもあります。
細部に目を向ければ、伝統的技法がふんだんに使われています。例えば18Kの輪で軸受けのルビーを固定し、青焼きされたビスで留めるビス留め式ゴールドシャトン。ビスは専門の職人が一部の高級時計にしか見られないブラックポリッシュという鏡面仕上げを行い、更にブルースティール加工を施している為、熟練の職人でも1日に十数本程しか作れません。
脱進機は、錫研磨されたスワンネック緩急針に、エングレーブが施されたテンプ受け、ブレゲ式のヒゲゼンマイに、ゴールドのビスで留められたチラネジ式テンプ、天府の軸受け石にはルビーではなくダイヤモンドをセッティング。純金製のムスターシュアンクルなど、どれも18世紀から19世紀にかけて確立された伝統的技法です。
19世紀のドレスデンに住まう王や侯爵のように、限られた方だけが手にすることができる至高の時計を、
ぜひ店頭にてご覧ください。
LANG&HEYNE
FRIEDRICH III
手巻き、18KWG、ケース径:39.2㎜、パワーリザーブ:約55時間、3気圧防水
税込価格:5,269,000円 ※2022年10月現在
日本橋三越店 園田