今回ご紹介するのは、トレンドでもなく、懐古主義的なアンティークでもない、しかし圧倒的な引力で私たちを惹きつけてやまないタイムレスな名作、「PORSCHE DESIGN(ポルシェデザイン) クロノグラフ1 – 2024 Hodinkee エディション」です。

■ 東の「工芸」、西の「計器」 ― ドイツ時計が持つ二つの顔
ドイツ時計と聞くと、グラスヒュッテ地方(旧東ドイツ)のA.ランゲ&ゾーネやモリッツ・グロスマンなどに代表される、貴族的な美学と手彫りの装飾を極めた「愛でるための工芸品」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、ドイツ時計にはもう一つの明確な血脈が存在します。
それが、フランクフルトのSinn(ジン)や、スイスでありながらドイツ語圏のシャフハウゼンに拠点を置くIWCなどに共通する、バウハウス的な実用主義と「計器(ツール)」としての哲学です。

ポルシェデザインは、かつてIWCやSinnに時計の製造を委託していた歴史的背景を持ち、まさにこの「西側の合理主義」の集大成と言えます。余飾を徹底的に排し、極限状態での視認性と信頼性のみを追求したデザイン。それは「芸術」ではなく、着用者の日常において「使うことで完成する機能美」の極致です。


■ 50年の時を超えた「オールブラック」の革新
1972年、名車ポルシェ911のデザイナーであるF.A.ポルシェは、世界で初めて時計に「ブラック(PVD)」を持ち込みました。レーシングカーの低反射コックピットからインスピレーションを得てデザインされた「クロノグラフ1」は、当時大きな物議を醸しながらも、瞬く間に時計業界の歴史を変えるアイコンとなりました。

今回、世界的時計メディアHodinkee(ホディンキー)のキュレーションにより350本限定で蘇った本作は、1970年代のスタイルを忠実に守りながらも中身は最先端です。
ブラックチタンカーバイドコーティングを施した超軽量チタンケースに、COSC認定の自社製キャリバー「WERK 01.140」を搭載。
Hodinkeeのルーツに敬意を表した歴史的な「1マイル」グラフィックや、レッドの「H」ロゴが静かなアクセントを添えています。


■ なぜ「今、日本」なのか? ― 最後のフロンティア
実はこの限定モデル、世界的な反響によりグローバル市場では既に「完売(ソールドアウト)」しています。しかし、奇跡的にここ日本にのみ、数本のデッドストックが存在しています。

それには理由があります。このエディションは、日本の熱狂的なポルシェとHodinkeeのファンコミュニティに向けた特別な敬意として、「英語・日本語のバイリンガル自動曜日表示」を備えているからです。

桜が咲き誇り、潔く散りゆく日本の春。その「無常(儚さ)」とは対照的に、傷に強いコーティングと堅牢なチタンを纏ったこの時計は、「永遠の計器」として持ち主の腕に残り続けます。
海外から日本を訪れる時計愛好家の皆様にとって、世界中を探しても見つからない伝説のピースを、ここ日本で手に入れることができるのは、まさに「一期一会」の幸運と言えるでしょう。

 

この時計は、ドレスウォッチではありません。スピードと正確性という西側のエンジニアリング精神を形にした、最もクールな計器です。 世界中を探しても見つからないこの一本が、なぜか今、日本の私たちの目の前にある。この歴史的必然と偶然の交差を、ぜひ店頭でご体感ください。

シェルマンオフィシャルサイト

1971年にアンティークショップとして創業したシェルマンは、パテック・フィリップをはじめとしたアンティークウォッチの名品の数々や美術工芸品ともいえるアンティークジュエリーを中心に展開してまいりました。
そして現在は、大手メゾンに属さず時計づくりに励む独立時計師のユニークな作品、独自の信念やこだわりを持って製作される現行ブランドの時計、複雑機構を搭載したクォーツ式のオリジナルウォッチの開発・製作など、アンティークの枠を越え、時代や流行を越えて受け継がれる名品をコンセプトに、幅広いジャンルの作品を取り扱っています