<クドケ> KUNSTwerk Collection 「HS1-Ring」
<クドケ>は2007 年にドイツ・フランクフルト(オーダー)で独立時計師のステファン・クドケがスタートしました。現在の彼が手掛けるコレクションは2つあり、1つは独立初期から続く、スケルトンウォッチを中心としたKUNSTwerk Collection、もう1つは2018年から始めた、自社ムーブメントを搭載したHANDwerk Collectionです。今回は彼の原点とも呼べる彫金の美しさを魅せるKUNSTwerk Collectionより、人気モデルHS1-Ringと、そのこだわりの手仕事による工程をご紹介します。
ドイツ語のKUNSTwerkは英語ではARTwork、日本語では芸術作品となります。その名の通り、アーティスティックなスケルトン加工がメインのシリーズとなります。スケルトン化するために、手描きのスケッチをもとに、糸鋸で地板にひとつひとつ穴をあけ、肉抜きをすることから作業が始まります。肉抜き後、ダイヤモンドカッターでの面取り、荒いゴム砥石から3ミクロン、1ミクロンの砥石へと使い分けながら面をならしていきます。
次に、ビュランと呼ばれる鋼鉄製の彫刻刀でエングレービングを施しますが、ステファン・クドケによるエングレービングの特徴は彫りの深さにあります。ビュランの刃を力強く真鍮の地板に入れ、跳ねるように彫ることで躍動感が生まれ、陰影が付くことで表情が生まれます。現代的な工具を用いた手法では、表現することが難しい伝統工芸ともいえる技術です。
「HS1-Ring」の特徴は1分おきの目盛りを印したリングがあることです。ブルースチールの針先が目盛と重なることで、スケルトンウォッチの中では比較的時間が読みやすいモデルとなります。
時計の裏側からも表面同様の芸術的なエングレービングが施されています。
KUNSTwerk Collectionはエングレービングから生まれる陰影や、スケルトン化された時計だからこそ見える歯車の動きやゼンマイの収縮など、お手に取っていただくことで愉しめるポイントが数多くございます。時計師でもありながら彫金も施すクドケならではの作品、ぜひ店頭でご覧ください。
KUDOKE
KUNSTwerk Collection 「HS1-Ring」
手巻き(ユニタス6498)、パワーリザーブ約46時間
ケース:SS、直径42mm、5気圧防水
価格税込:990,000円 ※2022年7月現在
銀座三越店 小林