
会期:2026年11月4日(水) ~ 11月17日(火)
会場:日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー / プロモーションスペース
この度、独立系6ブランド〈クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〉〈チャペック〉〈クドケ〉〈ハブリング²〉〈レイモンドウェイル〉〈トリローブ〉に光を当てた特別な展示企画を開催いたします。今回は、世界の時計界で最も権威ある賞とされる「GPHG(ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ)」の受賞モデルを軸に、各ブランドが大切にする「時計哲学」とクラフトマンシップの神髄を掘り下げてご紹介いたします。
GPHG(Grand Prix d'Horlogerie de Genève)は、2001年に創設されたスイス・ジュネーブ主宰の最高峰のアワードです。毎年、世界中から数百に及ぶ名作時計がエントリーし、卓越した技術力、デザイン性、革新性、伝統の継承などを基準に厳格に審査されます。審査員は業界を代表するジャーナリスト、時計師、収集家、専門家などで構成され、部門ごとにその年を象徴する最高のタイムピースを選出します。今回の展示では、「なぜ、その時計が世界の舞台で選ばれたのか?」という背景にある職人たちの情熱や哲学、革新的な技術をご紹介いたします。
GPHGを過去に受賞した6ブランドのご紹介
CHRISTIAN VAN DER KLAAUW(クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ)

受賞作品:Planetarium Eise Eisinga
受賞年:2021年
受賞部門:Calendar and Astronomy Watch Prize(カレンダー&天文時計賞)
オランダ発の独立系時計ブランド〈クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ〉は、天体時計の分野において世界的な評価と唯一無二の存在感を誇るマニュファクチュールです。1974年に時計師クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウによって設立され、世界で唯一の天文複雑時計専門のメゾンであり、機械式時計の機構を用いて月相や太陽、惑星の動きなどの天体運行を精緻に表現することに特化しています。
同ブランドの技術力と独創性を象徴するモデルが、2021年のGPHGにて「カレンダー&天文時計賞」を受賞した『プラネタリウム・アイゼ・アイジンガー』です。本機は文字盤上に世界最小の機械式プラネタリウムを搭載しており、水星、金星、地球、火星、木星、土星の6つの惑星がそれぞれの公転周期に従ってリアルタイムで動く驚異的な技術が高く評価されました。このモデルは、18世紀にオランダのフラネカーにある自宅天井へ機械式プラネタリウムを作り上げたアマチュア天文学者アイゼ・アイジンガーへのオマージュとして製作されています。アイジンガーが残したプラネタリウムは現存する世界最古の稼働するプラネタリウムであり、2023年9月にはユネスコの世界文化遺産にも登録されました。
自動巻き、パワーリザーブ:約96時間、ケース素材:プラチナ、ケースサイズ: 直径 40.0 mm / 厚さ 14.7 mm、防水性: 5気圧防水、世界限定6本、価格:13,200,000円税込
CZAPEK (チャペック)

受賞作品:Quai des Bergues
受賞年:2016年
受賞部門:Public Prize(一般投票賞)
19世紀の伝説的な時計師フランソワ・チャペックの遺産を受け継ぎ、クラウドファンディングという現代的なアプローチで2015年に復活を遂げた歴史的ブランド。 『ケ・デ・ベルク』は、2016年「パブリック・プライズ」を受賞した作品。1850年代にフランソワ・チャペックが手掛けた歴史的な懐中時計からインスピレーションを得た、ブランドの代表作。7時30分位置のスモールセコンドや、4時30分位置の「7日間パワーリザーブ&曜日表示」など、当時の意匠を見事に再現しています。クラシカルで洗練されたエナメル文字盤と、最高峰のハンドフィニッシュが施されたムーブメントが美しく融合した逸品です。
※会期中は都合により同ブランドの別モデルを展示させていただきます。予めご了承ください。
KUDOKE(クドケ)

受賞作品:KUDOKE2 Silver / KUDOKE3 Salmon
受賞年:2019年 / 2024年の2度受賞
受賞部門:Petite Aiguille Prize(小さな針賞)
ドイツの独立時計師ステファン・クドケ氏が手掛ける独立系時計ブランド「KUDOKE」。繊細なハンドエングレービングをはじめとする工芸美を時計という小さなキャンバスに凝縮した作品で、世界中のコレクターを魅了しています。時計界の権威であるGPHGにおいて、同じ価格枠を対象とする「小さな針賞」を2度も受賞するという快挙を成し遂げており、その卓越したデザイン性と手仕事の技が高く評価されています。
2019年受賞 KUDOKE 2 Silver ※画像左のモデル
12時位置に配された手彫りのデイ・ナイト表示プレートが象徴的なモデル。伝統的なドイツの時計製造技術とエングレービング技法が見事に表現された、ブランドの代表作です。
手巻き(自社製)、ケース素材: ステンレススチール、ケースサイズ: 直径 39.0 mm、防水性能: 5気圧防水、価格:2,310,000円税込、
2024年受賞 KUDOKE 3 Salmon ※画像右のモデル
長さの異なる3本の短針が、120度の角度に配置された特殊な時刻スケールを指し示す革新的な時刻表示を採用。独自の機構美とサーモンカラーの洗練された文字盤デザインで、2度目のグランプリを受賞しました。
手巻き(自社製)、ケース素材: ステンレススチール、ケースサイズ: 直径 39.0 mm、防水性能: 5気圧防水、価格:2,090,000円税込
HABRING²(ハブリング・ツー)
受賞作品:Doppel 2.0 / Jumping Second Pilot / Felix / Doppel-Felix
受賞年:2012年 / 2013年 / 2015年 / 2018年の4度受賞
受賞部門:Sports Watch Prize(スポーツウォッチ賞) / Petite Aiguille Prize(小さな針賞)
オーストリア発の独立系時計ブランド〈ハブリング2〉は、GPHGにおいて数々の栄誉に輝く、実力派のマニュファクチュールです。創業者のリチャード&マリア・ハブリング夫妻が掲げるのは、「高度で複雑な機械式時計を、実用的かつ誠実な価格で届ける」という哲学です。伝統的な複雑機構への深い造詣と確かな開発力、そして過美に走らない普遍的な美学が、世界中の時計愛好家や審査員から高く評価されています。
2012年 スポーツウォッチ賞:『ドッペル 2.0(Doppel 2.0)』
リチャード・ハブリングがかつてIWC時代に手掛けた伝説的な「スプリットセコンド・クロノグラフ」の特許満了に伴い、自身のブランドから発表されたモデル。複雑機構の代表格であるスプリットセコンドを、よりシンプル・堅牢でメンテナンス性に優れた独自構造へと進化させ、「過酷な環境でも実用的に使える機械式複雑時計」として高い評価を獲得しました。
2013年 小さな針賞:『ジャンピング・セコンド・パイロット(Jumping Second Pilot)』
クォーツのように1秒ごとステップ運針する伝統的な複雑機構「ジャンピング・セコンド(デッドビート・セコンド)」を、視認性の高いミリタリー調パイロットウォッチに融合。卓越した技術とユニークなメカニズムを、手の届きやすい価格帯で提示したことが「小さな針賞」の趣旨にマッチし受賞しました。
2015年 小さな針賞:『フェリックス(Felix)』
ブランド初となる完全自社製ムーブメント「Cal.A11」の開発成功という、歴史的マイルストーンを打立てたモデル。汎用エボーシュに頼らない一からの設計・製造を成し遂げながらも、一切の無駄を削ぎ落とした美しさと優れたコストパフォーマンスを実現し、グランプリの栄冠に輝きました。
2018年受賞 小さな針賞:『ドッペル・フェリックス(Doppel-Felix)』
自社製ムーブメント「Cal.A11」のプラットフォームへ、ブランドの代名詞であるスプリットセコンド・クロノグラフ機構を見事に統合・発展させた集大成。最高峰の複雑機構を完全自社一貫で完成させつつ、日常使いに耐えうる実用性と圧倒的なバリューを両立させたことで、4度目のGPHG受賞を果たしました。
※会期中は都合により同ブランドの別モデルを展示させていただきます。予めご了承ください。
※本展示では、実際に授与された「GPHG受賞トロフィー」の特別展示も予定しております。
RAYMOND WEIL(レイモンド ウェイル)
受賞作品:Millesime Small Seconds
受賞年:2023年
受賞部門:Challenge Watch Prize(チャレンジウォッチ賞)
スイス・ジュネーブに拠点を置く家族経営ブランド。伝統的な時計造りのノウハウを守りつつ、デイリーユースに適した現代的なデザインと高いアクセシビリティを追求しています。 同モデルは、2023年「チャレンジウォッチ賞」受賞した作品。ネオ・ヴィンテージの魅力を凝縮した『ミレジム・スモールセコンド』は、1930年代のセクターダイヤルを現代的に解釈し、美しい仕上げのコントラストと立体感のある文字盤表現を実現しています。本格的なスイス製機械式時計でありながら魅力的なプライスレンジと圧倒的なクオリティを完璧に両立させ、世界中の審査員から絶賛されました。
自動巻き、ケース素材:ステンレススチール、ケースサイズ: 直径 39.5 mm / 厚さ 10.25 mm、防水性能: 5気圧防水、341,000円(税込)
TRILOBE(トリローブ)
受賞作品:Nuit Fantastique Dune Edition
受賞年:2022年
受賞部門:Petite Aiguille Prize(小さな針賞)
2018年にゴーティエ・マソノー(Gauthier Massonneau)氏によってフランス・パリで創設された独立系時計ブランド。伝統的なスイスの時計製造技術と現代的なデザイン思考を融合させ、ユニークな時刻表示を提案しています。
トリローブの最大のアイデンティティは「針が存在しない」ことです。時・分・秒を示す3つの回転ディスクが文字盤上で回転し、固定された目印(トリローブマーク)を指し示すことで時刻を読み取ります。土木工学や建築への造詣が深いマソノー氏の背景を反映した幾何学的かつ立体的な文字盤設計は、時間を「追う」のではなく「流れを眺める」ような、詩的でユニークな時間体験を提供します。
その革新性は創業間もない時期から高く認められ、2022年にはGPHGにて『ヌイ・ファンタスティック デューン エディション』が「小さな針賞」を受賞しました。アシンメトリーなダイヤル上に配された回転ディスクによる斬新な表示機構と、洗練された砂丘(デューン)カラーのダイヤルデザイン、そして針を持たない独自機構を日常使いできるエレガントな機械式時計へと昇華させた点が、審査員から高い評価を獲得しました。
※会期中は都合により同ブランドの別モデルを展示させていただきます。予めご了承ください。
