秋が深まり、時計界が一年で最も熱く沸き立つ季節がやってきました。

毎年11月にスイス・ジュネーブで開催される「GPHG(Grand Prix d'Horlogerie de Genève:ジュネーブ・ウォッチ・グランプリ)」。
世界中の独立時計師から格式ある歴史的マニュファクチュールまで、その年に誕生した至高のタイムピースたちが集い、卓越した技術と美学を競い合う、まさに「時計界のアカデミー賞」です。

来る11月7日(土)の授賞式を前に発表された「第2次審査ノミネートモデル(ファイナリスト)」。 そのリストには、私たちがその情熱とものづくりの哲学に深く共鳴し、時計愛好家の皆様へと大切にお届けしてきたブランドや独立時計師たちの名がずらりと連なっています。

今回は、GPHG 2026の注目部門にノミネートされた、シェルマンがお届けするブランドの7つの傑作たちをご紹介いたします。



 CVDK(クリスティアン・ファン・デル・クラーウ)── 宇宙の調和(イーオン)を腕元に載せる、立体天文時計の極致

オランダが誇る世界最高峰の天文時計マニュファクチュール、CVDKからは豪華に2つのモデルがノミネートを果たしました。

『CVDK Grand Planetarium Eccentric Silicium』(Mechanical Exception部門)
水星から土星までの公転周期を精密な歯車で再現する世界最小クラスのプラネタリウム機構に、最先端のシリシウム(ケイ素)技術を融合させた機械的奇跡。

 

『CVDK Venus Annual Calendar』(Calendar and Astronomy部門)
金星の美しい運行とアニュアルカレンダー(年暦)を統合し、夜空の神秘的な美しさを文字盤上に昇華させた傑作。人類が太古の昔から空を見上げて時間を知ったように、46億年変わらない宇宙の軌道(イーオン=永遠の時間)を小さなケースの中に閉じ込めるCVDKの挑戦は、まさに「天文学と時計製造の融合」の頂点を示しています。

 

CZAPEK(チャペック)── 復興10周年の節目に放つ、時(カイロス)の劇的な跳躍

『Time Jumper(タイム・ジャンパー)』(Men's Complication部門)
2016年に復興第1作『Quai des Bergues』でGPHGパブリック・プライズ(有識者・愛好家賞)を受賞し、世界中のコレクターを魅了したチャペック。 ブランド復活10周年(そして創業180周年)という記念すべきマイルストーンを祝して発表されたのが、この『Time Jumper』です。ディスクが瞬時に跳躍して時を告げるジャンピングアワー機構と、チャペックならではの立体的なムーブメント・アーキテクチャーの融合。19世紀の創業者フランソワ・チャペックの美意識を現代へと繋ぐ、ドラマチックな「一瞬(カイロス)」を刻むタイムピースです。

 

LOUIS MOINET(ルイ・モネ)── クロノグラフの生みの親が放つ、歴史と先進機能の融合


『1816 Chronograph(1816 クロノグラフ)』(Chronograph部門)
1816年、天体観測のために世界で初めて「クロノグラフ(時間を測定する精密装置)」を発明した伝説の時計師ルイ・モネ。その偉大な足跡とパイオニア精神を現代に受け継ぐ最高傑作が、この『1816 Chronograph』です。
時間を単に「見る」だけでなく「計測する」という科学的探求心が生んだ偉大な歴史へのオマージュと、現代的なデザイン美学が融合。時を正確に区切る技術(クロノス)を芸術的な領域へと昇華させた、まさにクロノグラフ部門を象徴する1本です。

 

SYLVAIN PINAUD(シルヴァン・ピノー)── シェルマンが日本へ届ける、独立時計師のアート&手仕事


『30s Tourbillon(30s トゥールビヨン)』(Tourbillon部門)
シェルマンが輸入代理店を務める、現代独立時計シーンの俊英シルヴァン・ピノー。2022年のGPHGで「Horological Revelation(時計製造の啓示)賞」に輝いた彼が、新たにトゥールビヨン部門に挑む注目の新作です。

手作業による緻密な面取りやマット仕上げ(サヴォアフェール)、そしてインダストリアルでありながら繊細なオープンワーク構造。そして30秒で1回転するスピード感のあるトゥールビヨン、さらには秒針を0(ゼロ)リセットする特殊機構まで…。
伝統的な職人技と現代建築のような立体美が見事に交差する、まさに「未来のアンティーク」と呼ぶにふさわしい逸品です。

 

FREDERIQUE CONSTANT(フレデリック・コンスタント)── クラシカルなエレガンスと自社製複雑機構の民主化

『Classic Worldtimer Manufacture』(Petite Aiguille部門)
世界24都市の時間を一目で可視化する、洗練された自社製ワールドタイマー。

『Classics Moneta Handwinding』(Challenge部門)
コインのエッジのような美しさと手巻きのぬくもりを宿した、手の届く高級時計の完成形。伝統的なスイス時計製造の美徳を守りながら、多くの時計愛好家へ本格的な機械式時計の愉しみを届ける、ものづくりの真摯な姿勢が評価されています。

 

FAVRE LEUBA(ファーブル・ルーバ)── 伝統名門の挑戦と、現代複雑時計の頭脳による新章

『Chief Skeleton(チーフ・スケルトン)』(Challenge部門)
スイスで2番目に長い歴史を持つ名門ファーブル・ルーバ。 11月13日に来日を予定している現代複雑時計の天才エンジニア、ジャン・フランソワ・モジョン(J.F. Mojon)氏の手によって息を吹き返した、力強くモダンなスケルトンモデルです。
※スポットでの取扱いとなります。詳しくはスタッフまでお問い合わせください。

 

数字(クロノス)を超えて、100年後の未来(イーオン)へ遺るもの

PIMさんワークベンチ CVDK PIM Assembly
(PIMさんが関わった作品が、今回4つもノミネートされているというところも感慨深いですね…)

GPHGのノミネート作品に共通しているのは、単に「精度やスペック(クロノス)」を競うことではありません。それは、時計師たちが自らの人生と命を削り、小さな歯車やブリッジに手作業で魂(サヴォアフェール)を吹き込み、手にする人の人生に寄り添う「特別な瞬間(カイロス)」を創り出そうとする情熱そのものです。

私たちが「10時10分」の調和した姿に美しさを感じるように、職人たちの手が紡ぎ出したタイムピースは、何十年、何百年という時を超え、傷跡さえも愛おしい「未来のアンティーク(Future Antique)」として、次の世代へと受け継がれていきます。

11月7日(土)、ジュネーブから世界へ向けて発信される授賞式のカウントダウン。ぜひ皆様もオンラインでその歴史的瞬間を見守りながら、シェルマンの店頭にて、世界最高峰の評価を受けた時計たちの実物の鼓動に触れてみてください。

GPHG URL : https://www.gphg.org/en
※日本時間では 11月7日(土)深夜から8日(日)未明にかけて の配信となります。

 

 

シェルマンオフィシャルサイト

1971年にアンティークショップとして創業したシェルマンは、パテック・フィリップをはじめとしたアンティークウォッチの名品の数々や美術工芸品ともいえるアンティークジュエリーを中心に展開してまいりました。
そして現在は、大手メゾンに属さず時計づくりに励む独立時計師のユニークな作品、独自の信念やこだわりを持って製作される現行ブランドの時計、複雑機構を搭載したクォーツ式のオリジナルウォッチの開発・製作など、アンティークの枠を越え、時代や流行を越えて受け継がれる名品をコンセプトに、幅広いジャンルの作品を取り扱っています