GRONEFELD (グローネフェルト)
1941 Remontoire (1941ルモントワール)
オランダの独立時計師メーカー<グローネフェルト>の限定188本モデルのご紹介です。
一見するとパウダー状のグレーのダイアルに、太めの美しいブルースチール針が装着されたクラシックかつモダンなスモールセコンド時計に見えますが、実は複雑な機構が搭載されており、9時位置に設けられた窓の独特な動きにその秘密があります。
それは“8秒ルモントワール”という複雑機構の動きです。ルモントワールとは、主ゼンマイからの動力を第二の別動力源に蓄え、それを一定間隔で脱進機に開放し続ける事で、精度を向上させる機構です。通常は主ゼンマイが解けるに連れて脱進機に伝わるトルクは減少しますが、この機構によりトルクが最後まで均一に保たれます。2016年には、ジュネーブウォッチグランプリ (通称:GPHG)にて「メンズウォッチ賞」部門の名誉あるグランプリを受賞しました。
ムーブメントを覗くとなんとも複雑にブリッジが配されています。このムーブメントの特出した点は、固いステンレススチールのパーツを採用しているところです。(通常のムーブメントは加工性の良い真鍮合金などを使用。)また、オランダ建築物の屋根の形状にインスピレーションを受けたというブリッジの形状も、非常に独創的です。細かく分割するブリッジを採用する事で、各部位をパーツごとに調整可能となりメンテナンス性が向上しますが、そのかわりにパーツ数も多くなり、ムーブメントの生産効率は落ちます。拘りを最優先させた、真に独立時計師の心意気を堪能できる芸術作品と言えるのではないでしょうか。
非常に手間のかかる各パーツのブラックポリッシュ仕上げですが、このメーカーにとっては当たり前の事。
ムーブメントにばかり触れてきましたが、最後に外装の滑らかで複雑なラグの形状にもご注目ください。この複雑なケースをもつ1941というモデルは、グローネフェルト家2代目時計師の父親の誕生日なのだそうです。同じ時計師としての尊敬の意味が込められているのではないでしょうか。
創業者は1912年から続くオランダの時計師家系に生まれたグローネフェルト兄弟(兄バートと弟ティム)。ともにスイスのWOSTEP時計学校で技術を学び、オーデマピゲ傘下の超複雑時計工房「ルノー・エ・パピ」でキャリアを積み、2008年に故郷であるオランダ・オルデンザールで自身の名を冠したグローネフェルド社を設立しました。
オランダの独立時計師の独創的な拘りが詰まった逸品をぜひ店頭にてご覧ください。
GRONEFELD (グローネフェルト)
1941 Remontoire (1941ルモントワール)
手巻き、素材:18KRG、ケース径:39.0㎜、防水性:5気圧、188本限定
価格(税込):8,250,000円
日本橋三越店 園田