2025年は、クリスティアン・ホイヘンスによる「ひげゼンマイ」発明350周年の記念すべき年です。この節目に、彼の系譜を継ぐ「独立時計師とスモールメゾン」の皆様に、作品への哲学や想いを綴った「直筆レター」を添えていただきました。こちらでは、各ブランドの手紙の詳細をご紹介させていただきます。

直筆レター 日本語訳 ▶
親愛なる時計愛好家の皆さまへ
この度は、ルツェルンのアトリエより心からの感謝と喜びを込めて、皆様にメッセージをお届けいたします。
クロノスイスでは、伝統的なスイスの時計製造技術と現代的な革新性を融合させた「モダン・メカニカル」という哲学を、誇りを持って掲げております。
その精神を最も鮮明に表現しているのが「オーパス」です。30年前に発表されたこのモデルは、数少ないスケルトン仕様のクロノグラフとして、機械式の透明性を大胆に示す存在でした。
そして現在、チタン製の最新オーパスがその伝統を受け継いでおります。機械式時計への深いご理解と情熱に、心より感謝申し上げます。三越での特別展示に参加できることを、大変光栄に存じます。
敬具
オリバー・エブシュタイン

OPUS CHRONOGRAPH TITANIUM
自動巻き(Cal. C741S)
パワーリザーブ:約46時間
ケース径:41.0mm
ケース:グレード5チタン
防水性: 10気圧防水
3,168,000円税込 ※2025年12月現在


1983年にドイツの時計師ゲルト・R・ラングによってミュンヘンで設立された、独立系の時計メーカー。クォーツ時計が全盛だった時代に、機械式時計への揺るぎない情熱を持って創業され、スイス時計産業の復興に貢献したパイオニアとしても知られています。2012年からはスイスの実業家オリバー・エプシュタインがオーナー兼CEOとなり、本社をスイスのルツェルンに移転。伝統を守りつつも、「モダン・メカニカル」の哲学のもと、大胆で現代的なデザインを取り入れた時計づくりを続けています。
クロノスイスの時計は、細部にまでこだわったクラシックな要素と、際立つ独創性を融合させています。世界で初めて腕時計型のレギュレーター(時・分・秒が独立して表示される形式)を量産化したブランドとして有名です。また、ブランドのデザインコードであるコインエッジ(フルート装飾)を施したベゼルや、大きく溝が切られた玉ねぎ型(オニオン型)リューズ、ネジ留め式のストレートラグなどのディテールが、時計にクラシカルでエレガントな印象を与えています。ムーブメントをケース裏側から鑑賞できるシースルーバックを広く普及させた先駆けの一つでもあり、機械式時計の奥深さを愛好家に伝えてきました。
1995年に発表された「OPUS」は、世界初の量産スケルトンクロノグラフとして時計業界に大きな影響を与え、クロノスイスのアイコン的な存在となりました。ムーブメントの約300ものパーツを丹念にスケルトン加工し、その精巧な動きを両面から鑑賞できるように設計されています。



