KUDOKE(クドケ)
クドケ1
ドイツの独立時計メーカー<クドケ>より、2018年に発表された自社製ムーブメント搭載モデル「クドケ1」をご紹介いたします。
<クドケ>はドイツ人独立時計師ステファン・クドケ氏が2004年に立ち上げたブランド。彫金師でもある氏は創業以来14年間、手作業にこだわった彫金を施した美しいスケルトンウォッチを発表してきました。今回ご紹介する「クドケ1」は、彼の新境地を目指し新たにムーブメントも作り上げたモデル「HAND werk」シリーズの第一弾となります。
文字盤は、9時位置に秒針を配置したシンプルな仕上げ。ご注目いただきたいのは“インフィニティ・ハンド“と名付けられた時針ですが、このデザイン懐中時計がお好きな方はピンと来るかもしれません。ハーフハンターケースと呼ばれる文字盤を覆う蓋に窓の空いた懐中時計では、のぞき窓から見えるよう時針をダブルのスペード型にすることで蓋を閉じたまま時間がわかるようになっていました。そのダブルスペード針をヒントにクドケ氏が新たにデザインしたのが、この“インフィニティ・ハンド”なのです。彼の今後に対して無限の可能性を感じさせるネーミングですね。時針の独特形状だけでなく、長針も手作業で仕上げられ、わずかに先端が曲げられた青焼き針を用い、シンプルな文字盤に青い針が映えます。
「クドケ1」のもう1つの見どころであるムーブメントは、友人であるオーストリアの独立時計師リチャード・ハブリング氏のアドバイスを受けて完成した自社キャリバー「Kaliber 1」。クドケ氏自身が所有していた古いイギリス製の懐中時計のムーブメントをヒントにして作り上げました。
テンプのブリッジに施される彫金の美しさは、スケルトンウォッチへの彫金を得意としてきたクドケ氏の腕の見せどころと言えます。地板に施される梨地の模様も、細かい石を混ぜたオイルにムーブメントのプレートを浸し、指でゆっくり擦り上げながら仕上げるという作業を経て生まれています。通常サンドブラストなど機械で仕上げてしまう梨地ですが、手作業での仕上げにより他のメーカーとは異なる質感となります。
端正かつクラシックな文字盤側だけでなく、ムーブメント側にはクドケ氏ならではのこだわりである、手作りの魅力が溢れているというこの作品は、まさに所有した方のみが楽しめる特権といえるでしょう。
KUDOKE(クドケ)
クドケ1
手巻き、SS、ケース径:39.0mm、5気圧防水
価格(税込):1,100,000円
銀座三越店 中崎